【高給取りはウソ】看護師の給料が安いのはなぜ?しくみと解決策3つを解説!

看護師の給料って安すぎない?どうやったら増やせるの?

もっと楽で看護師以上に稼げる仕事だってあるよね。
そういう仕事したい。

「看護師は高給取り」。こんな話、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。

わたし自身、「看護師資格を取ったら職の安定も高給も保証される!」と意気揚々と看護業界に入りました。

でも、いざ飛び込んでみると驚きのブラック環境だったんです。

この記事では、筆者の看護師15年のリアルな経験をもとに、看護師の給料が安い理由と対処法を解説します。

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もくじ

看護師は給料が安い!「高給取り」なんてウソ

よく「高給取り」と言われる看護師。確かに女性全体の平均賃金と比較すると高いようです。

女性全体319万円
女性看護師412万円
25~29歳女性の平均年収

でも、実はただの見かけ倒しなんです。

看護師は給料が上がらない

20代看護師の初任給の平均は20〜21万円。大卒で比較すると同年代の他職種と大きな差はありません。

大卒一般210,200円
大卒看護師209,990円
大卒の初任給(基本給)の比較

参考:厚生労働省 令和元年 賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給

日本看護協会 2021年 病院看護・外来看護実態調査

新卒1年目の後半からは看護師の月給は高くなります。夜勤ができるようになり、手当がつくためです。

しかし昇給率は圧倒的に悪いです。

つまり、経験年数が増えるほど同年代との差は縮まっていきます。そして、30歳を超えた頃には全体の平均を下回ります。

参考:厚生労働省 賃金構造基本統計調査

看護師は夜勤がないと安い

看護師の夜勤手当は、2交代で1回あたり平均11,026円です。(日本看護協会 2019年 病院看護実態調査より引用 )

夜勤さえすれば稼げる一方、回数が少なければ収入は大幅ダウンします。

師長になれば管理職手当がつきます。一方で夜勤回数が減るために、管理職なのに20代の夜勤をバリバリこなせるスタッフと同程度の収入になってしまうことも。

でも、夜勤って自分を切り売りする行為なんですよね。

  • 生活リズムが崩れて肌荒れや不眠を引き起こす
  • ストレスがたまってメンタルを病む
  • 金銭感覚がバグって散財してしまう

40代・50代になってからのことを考えると、夜勤で長く稼ぎ続けるのは難しいでしょう。

看護師は寿命を削ってやっとお金を稼いでいるんです…

仕事の負担に見合った給料をもらえない

看護師が「給料が安い」と感じるのは「負担の大きさに比べてもらえる額が少ない」という意味も含まれます。

看護師は業務負担の大きい仕事です。

  • 体力的・精神的につらい
  • 長時間のサービス残業
  • 急な勤務変更
  • 勤務外の勉強会や看護研究など”自己研鑽”の強制

強要される「自己研鑽」まで時給換算すると最低賃金より安い…なんてこともよくある話です。

看護師の給料が安い・頭打ちするのはなぜ?

看護師の給料が安い理由

看護師の給料が安い理由は、看護師が病院を儲けさせることができないからです。

高給をもらうには病院の経営に貢献する必要があります。経営を改善するには「収入を増やす」か「支出を減らす」かが必要ですよね。

ですが、保険医療機関で働く看護師は、病院の収入増・支出減どちらにも貢献できません。

安い理由①給与が高い看護師はコストになるから

昇給率が低い看護師という仕事。新人もベテランも同じ1人の駒としてカウントされ、昇給が難しいことが原因です。

その要因は診療報酬制度。看護ケアはほぼ全て「入院基本料」に含まれます。入院基本料を請求するためには、7対1や10対1などの事前に届け出た看護配置基準の人数を満たさなければなりません。

ベテランがどんなに質の高い看護をしても、病院の収益は増えない構造なのです。

むしろ経験豊富な人材を多く使うほど赤字になってしまいます。

頑張って看護の質を上げても報われない構造、切ないですね…

安い理由②日本の診療報酬が安いから

看護師の給料は診療報酬から支払われています。この診療報酬が安いことが、看護師の給料が安い原因です。

医療サービスは本来とても高価なもの。皆保険制度がないアメリカでは、個人にかかる医療費は日本の10倍以上といわれます。

でも、医療費のほとんどを国が負担している日本では、簡単には診療報酬を上げられません。

アメリカでは、麻酔看護師など弁護士より給料が高いNPもいます!

安い理由③高額の医療費がかかる高齢者が増えていくから

なぜ国は医療費を抑えたいのか。理由は、今後高齢者の増加にともなって国の負担も増える一方だからです。

日本は高齢化率が29.1%の超高齢社会(令和2年度調査)。今後も上昇し、2025年には高齢化率が30%を超えると予想されています。

一人当たりの医療費もみてみましょう。75歳以上の後期高齢者の医療費は、65歳以下のおよそ5倍です。後期高齢者は慢性疾患が複雑に絡み合い診療が難しく、医療費も高額になります。

65歳以下 183,500円
後期高齢者(75歳以上)902,000円
一人当たりの医療費

参考:厚生労働省 令和2(2020)年度 国民医療費の概況 結果の概要

国は医療費を減らしたい、でも皆保険制度はやめられない。すると診療報酬を抑えるしかありません。

看護師はその影響を受けているのです。

看護師の給料が安い時にとるべき3つの方法

看護師 給料 安い

看護師は給料が安く増えもしないシステムの中で働いています。

では、給料を増やしたい時にはどうしたらいいのでしょうか?

対処法を3つご紹介します。

方法①今の職場で昇進を目指す

1つ目は、現在の職場で昇給を目指す方法です。ヒラナースではほとんど昇給できませんが、管理職になれば違います。看護師の平均給与を見てみましょう。

新卒看護師(大卒)209,990 円
勤続10年非管理職248,149 円
経験年数別 看護師の平均基本給

参考:日本看護協会 2019年 病院看護実態調査

10年の経験で4万円の差ということは年間昇給額は3,000円~4,000円です

資格とってスキルアップすれば増えるんじゃない?認定看護師とか。

日本看護協会の調査では認定看護師手当は6割が0円、あっても3千~5千円です。収入アップにはつながらないんです…

給与を上げたいなら、管理夜勤が多い病院で昇進するのが確実です。

看護部長まで行けば年収800万~1,000万円も夢じゃありませんよ。

ただし、楽な道のりではないことは覚悟しておいてくださいね!

方法②給与のいい別の施設へ転職する

今の職場での昇給が見込めないなら、転職も一つの手段です。

看護師の給料はどこも同じようなものだと思っていませんか?実は施設によってかなり差があります。

例えば公立病院。入職時の総支給額は同じでも昇給額が大きく、数年後の年収が全く違ってきます。

転職活動のポイント

総支給額だけでなく、以下の点を絶対に確認しましょう。

  • 支給額の内訳
  • 離職率(最近辞めた人の退職理由)
  • 職場の雰囲気

問題があって看護師が来ない・定着しない病院は給与支給額が多めに設定されていることがあり要注意です。

転職先の情報を十分に収集できるなら、私は自己応募をおすすめします。

情報が手に入らない場合、初めての転職の場合は転職エージェントを使ってみてもいいでしょう。

私は高給与に惑わされてブラック病院に転職してしまった経験があります。お気をつけて…

方法③看護師以外の稼げる職業へ転職する

看護師は職業の特性上、病院を儲けさせられないから給料がアップしません。

給与を上げることを重視するなら、会社の経営に貢献できる別の職種へ転職するのも一つの手です。

実際に看護師以外の職種に転職して、楽しく働きながら給料もアップした人もいますよ。

まとめ:看護師としてのキャリアに悩んだら

看護師の給料が安いのは、構造上看護師が病院経営に貢献できないからです。

これには国民皆保険制度と高い高齢化率が関係しています。

そして、自分の年収を上げる方法を3つご紹介しました。

進むべき方向が見えない。仕事にモヤモヤしている。

キャリアには絶対の正解がないからこそ余計に悩みますよね。

そんな時には自己分析をすると、自分に合った方法が見えてきますよ。

キャリアのプロに相談してみるのもおすすめです。

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あなたが一番幸せになる選択ができますように!

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