脱出すべき?看護師がどんどん辞めていく理由とブラック病院の見分け方

先輩たちが次々辞めていくのが不安…新しい人が入ってきてもすぐに辞めちゃうんだ。うちの職場ってヤバい?

いつの間にか病棟で上から数えたほうが早くなってた。私も辞めたほうがいいのかな?

あなたの職場は、看護師が働きやすく定着する”いい病院”ですか?

もしブラックな職場なら、いずれはあなたにも必ずしわ寄せが来ます。

あなた自身も脱出できるよう、あらかじめ我慢するラインを決めて準備しておいたほうがいいでしょう。

この記事では、看護師歴15年で一般企業へ転職した筆者が、以下の内容についてお伝えします。

この記事の内容
  • 看護師がどんどん辞める理由
  • 看護師が職場に感じる不満
  • 看護師がどんどん辞める職場の特徴
  • 自分が看護師がどんどん辞める職場にいる場合はどうしたらいいのか

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もくじ

看護師がどんどん辞めるのは転職しやすいから

看護師がどんどん辞めるのは、資格があるために転職しやすい環境だからです。

一般的な会社員とはどんなところが違うのでしょうか。

看護師は他の職種と比べて離職率が高い?

新卒看護師の1年以内の離職率は、一般的な新卒の離職率と比較して低いです。

下の表は新卒1年以内の離職率を表したものです。

一般新卒(大卒)10.6%
看護師新卒8.2%
2022年 新卒採用の1年以内の離職率(正規雇用)

この結果、ちょっと意外じゃないですか?

おそらく、一般企業では「いざ入社したら希望の職種になれなかった」というミスマッチが多くあるためだと考えられます。企業では「総合職」「一般職」といって明確な職種を決めない採用をするからです。

一方、看護師の採用は、部署の希望は通らなくても絶対に看護師にしかなりませんよね。

そのため大きなミスマッチはなく「とりあえず働いてみよう」と考える傾向があるため、離職率が低いのでしょう。

一方、看護師の既卒採用者が入職後1年以内に辞める割合は、一般的な平均より高くなっています。

一般労働者10.7%
既卒看護師14.9%
2022年 経験者採用の1年以内の離職率(正規雇用)

看護師界は、新卒では頑張るけれど、経験さえ積んだらサクッと辞められる雇用情勢だと言えます。

看護師は転職しようと思えばすぐにできる

看護師は、転職が異常なくらい簡単です。

良さそうな職場を見つけて応募したら、すぐに1回面接・見学して、2~3日で内定。

看護師の転職活動は、1ヶ月もあれば十分終わるでしょう。

アルバイトとほとんど同じ感覚で転職できます。

しかし、会社員の転職は早くて3ヶ月、長ければ年単位でかかることもあります。

私が企業へ転職したときも、看護師転職とはまったく違いました。

一般的な会社員の転職活動
  • エージェントに「まず30社応募してください」と言われる
  • 履歴書のほかに職務経歴書も提出
  • 書類選考通過率は20~30%
  • 1社につき面接が3~4回ある
  • 応募から内定まで3ヶ月~1年かかるのも普通

これが一般的な転職です。

看護師が「職に困らない」と言われる理由がよくわかりますね。

看護師が職場に感じる不満4選

看護師は引く手あまたで辞めやすいとはいえ、職場に不満がなければ簡単には辞めませんよね。

ここからは、不満が出やすく「合わない」と感じやすい理由を挙げていきます。

不満①人間関係が悪い

看護師の世界は人間関係が悪いとよく言われます。

実際に、いじめ・パワハラが横行している職場がかなりの頻度で存在しますが、ハラスメントに疎い管理職も多くなかなか改善しません。

喜んで新人をいじめる人、育てようと思っていない人、教育熱心すぎて新人の気持ちがわからない人…お局様のパターンもさまざま。

不満②ワークライフバランスが悪い

看護師として働いていると、趣味や育児などの生活と両立しにくい職場は多いです。

  • 頻繁な夜勤
  • シフト制(土日出勤)
  • 情報収集や記録で勤務前後に発生するサービス残業
  • 委員会や看護研究

仕事のために自分を犠牲にしなければならないことは多くありますよね。

でも、これらに従わないと給料は十分にもらえない……

とはいえ、労働環境の実態は施設や部署によって大きく違います。

詳しくは後述しますね。

不満③業務が忙しすぎる

同じ看護師という仕事であっても、部署や施設によって忙しさは違います。

入院患者のADL自立度や緊急入院の多さなどによってかなり左右されますよね。

働き始めてみたけど予想以上に忙しく、「こんなはずじゃなかった」と不満を持つ人は一定数います。

不満④やりたい仕事ができない・成長できない

自分の思った通りのキャリアが実現できない場合に辞める人は多いです。

  • 異動したいのにさせてもらえない
  • 異動したくないのに強制的に異動させられる
  • 認定を取りたいのにまだ早いと言われる

看護師は頑張っても評価されない(=病院の収益につながらない)ので、個人のキャリア形成は無視されがちなんですよね。

でも、せっかくあるモチベーションを削がれるような職場は辞めたほうがいいです。

あなたの人生の時間は有限です。

もしやりたいことがあるなら、1年だって無駄にしている時間はありません。

私も、他の部署を経験したいのに「この先3年は異動させられない」と言われて転職したことがあります。私の人生ですからね。

看護師がどんどん辞めていくヤバイ職場の特徴4つ

看護師がすぐに辞めがちな職場には特徴があります。

  1. 新卒離職率が高い
  2. 中堅看護師やママナースが定着しない
  3. 本人の希望を考慮しない異動・配属がある
  4. 働く人の表情が暗い

もし、あなたが今このような職場にいて周りの人がどんどん辞めていって辛いなら、早めに脱出したほうがいいでしょう。

そして、次の転職先を選ぶときも、これらに当てはまらないかチェックしてみてください。

ヤバい職場を100%避けられるわけではありませんが、ある程度スクリーニングできるので失敗率は下がりますよ。

特徴①新卒離職率が高い

これは言わずもがなですね…

新卒離職率が高い病院は、忙しすぎる、人間関係が悪い、教育体制が整っていないなど何かしらの理由があるはずです。

新卒看護師の平均離職率は離職率は8.2%(2022年 日本看護協会調査)なので、これを基準に考えるといいでしょう。

特徴②中堅看護師やママナースが定着しない

ワークライフバランスが保てない職場は中堅看護師が定着しません。

特にワーママ看護師がいないところは絶対に気をつけたほうがいいです。

なぜなら、上司や同僚が冷たい、シフト希望日数に制限がある、有給休暇が取れないなど、何かしらの働きにくい問題があることが多いから。

あなたに子どもがいなくても同様です。

ワーママに優しくない職場は、あなたが体調を崩した時などに厳しい対応をされる可能性は高いでしょう。

特徴③本人の希望を考慮しない異動・配属がある

配属を決めるにあたって、本人の希望をほとんど考慮しない職場は要注意です。

就職して希望の病棟に入った後、3ヶ月で全く違う部署へ異動命令が出たなんて人も。

対策として、転職を決める前に、配属先とその後の期間を確認しておきましょう。
もちろん、病院側の都合も多少配慮するべきですし、結果として異動してみたら意外と合っていたということはあります。

ですが、自分の意思を無理に押さえ込むだけでは、遅かれ早かれ辛くなります。

特徴④働く人の表情が暗い

病院見学の時点で、雰囲気の悪いところは絶対に避けるべきです。

外の人にいい対応ができないのに、内部の同僚に優しいわけがありませんよね。

実際、人間関係の悪いところは笑顔も挨拶もないので見学だけでわかることがあります。

今働いている人たちが楽しそうなら、自分も楽しく働ける可能性が高いです。

いい職場はある?看護師の労働条件は施設によってまったく違う

病院なんてどこも同じだと思っていませんか?

実は、労働条件は施設によってかなりばらつきがあります。日本看護協会の実態調査の結果を見るとその差は明らかです。

例えば以下の4つ。

月平均超過勤務時間・残業時間の平均(看護師)
年間休日数(看護師)
有給休暇取得率(看護師)
二交代制の平均夜勤回数(看護師)

2021年 病院看護・外来看護実態調査(日本看護協会)より引用し改変

結構バラバラですよね。

有給は3割程度しか取れないところもあれば、8割以上消化できるところもかなりあります。

夜勤回数の平均も、二交代で月5回のところもあれば10回以上のところもあります。

(私も夜勤専従じゃないのに毎月12回も夜勤に入っていたことがあります)

あなたの職場はいかがですか?

労働条件の良さは、働きやすさすべてに直結します。

仕事そのものだけでなく、働く人の心にも余裕を生むためです。

職員の心の余裕ができてギスギスした雰囲気が減ったり、有給が自由に取れてワークライフバランスが良くなったり…

いい職場へ転職できれば、働きやすさは各段に上がりますよ。

看護師が次々辞める職場はヤバい!早めに脱出を

看護師がどんどん辞めてしまうような職場は、自分にとっても働きにくいことが多いです。

スタッフが減ったせいで、仕事のしわ寄せが自分にもやってきます。

でも、人がいなくて忙しいのに私も辞めちゃったら、周りの人がもっと大変になっちゃう。

そう考えてしまうあなたは優しい人なんですね。でも、人員配置は管理職が考えるべきことです。

実際に管理職から「周りの迷惑を考えて」なんて言われるかもしれません。

でもそれは管理職が自分の責任をあなたになすりつけているだけ。

もしかしたら、あなたが知らないだけで他の同僚もすでに退職交渉しているかもしれません。

そうなれば、あなたの負担はどんどん増えてさらに辞めにくくなります。

自分の身を守れるのは自分だけです。

看護師以外に転職する道もある

「いくつか異動や転職をしたけれど、どこの職場も合わない」

「看護師の働き方がそもそも自分に合わないのかも」

このように感じる人もいるでしょう。

私自身、夜勤ありきでしか稼げない看護師という職種に限界を感じて、一般企業に転職しました。

2020年代に入ってからは特に、一般企業の働き方改革が大幅にすすみましたよね。

業務がテレワーク中心になったり、フレックス勤務が導入されたり……

一方で、根本的に働き方を改善しにくい看護師という職種は今後、相対的に「働きにくい職種」という評価を受けるようになっていきます。

前述したとおり、一般企業への転職は、看護師としての転職と比べてハードルが高いです。
しかし、不可能ではありません。

もし外の世界へ少しでも興味があるのなら、本当に転職するかどうかは別として、転職活動だけでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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